この54 お節介とおねえさんと火の用心 

いい雑貨屋さんを見つけました。
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雑貨屋といっても、
アメリカ〜ンなインテリアやカントリーナチュラルな小物が並ぶような
オシャレ雑貨屋ではなく、
竹ぼうきやすのこや爪楊枝入れや、
失神したラグビー部員が頭から水ぶっかけられそうな
ブリキの巨大なやかんなどが並ぶ、
正真正銘、日本の雑貨屋さんです。

特に買いたいものはありませんでしたが、
商品を手にとって見ると、ひとつひとつ丁寧にビニールで包まれていて、
「高価なものですが、大切にできるし長持ちしますよ」などと
かわいらしいお節介が書かれたメッセージカードが貼ってあり、
こんなにもお仕事を愛している人間の面を拝まずにおらりょうかと
ついつい入ってしまいました。

土瓶や便所サンダルやおろしがねなんかを眺めながら店内を物色、
よく見るととてもかっこよいものやかわいいもの珍しいものが
ぎょっとするほど安い「実用品価格」で鎮座しています。
そして、見るからにしっかりと作られているものはきちんと高い。
う〜ん、潔くて気持ちいい。

ファーストフード店で使う、フライドポテト用の
四角い大きな揚げカゴがぶらさがっていて、
私はまだ一般家庭に専用フライヤーがあるという話は聞いたことがないので、
いったいどんなひとが買うんだろう…と首をひねったり、

「いつか魚をお客さんに出せるぐらい上手におろせるようになったら
刺身包丁といい砥石を買うんだ」と
包丁のガラスケースを見ながら決意したり、
楽しい探検をしました。

「面白い物というのはこういうところに潜んでいるのだ」と、
生えてもいない口ひげをなでながらご満悦。

そんな中、なにやら不思議なものが。
つくりは非常に単純、
角棒状の木片が3本、麻ひもでつながれています。
とても原始的なつくりの代物です。
はて、これは何だろう。

上の写真を見てください。
何だと思います?これ。

私は最初、
「火の〜用心!カチカチ、
マッチ一本火事のもと!カチカチ、
パンツ一丁風邪のもと!カチカチ」
に使う拍子木かしらん、と思いました。

でも、棒は3本、
人間で手が3本あるひとを私はまだ見たことがない。
ひょっとして、スペア付き?

と、自分の説得工作を試みてみたものの、
どうもうまくいかない。結局白旗を揚げて
例の「お節介カード」のお節介に焼かれることにしました。

正解は……
「鍋敷き」。


へええええぇぇぇぇぇ!

ちょっとちょっとちょっと!
ごめんくださーい!これくださーい!
とあわててお店のひとを呼ぶと、
奥からはなんとまあ、
ショートカットがかわいらしいお若い女性が。
それこそオシャレ雑貨屋の店員さんでもおかしくない感じの、
軽やかな雰囲気をたたえたおねえさんがいらっしゃいました。

お節介カードの主は、やはりこの女性。
こんなに渋いお店を、こんなひとが切り盛りしてるなんて、
なんてかっこいい。

「若い方はなかなかいらっしゃらないんですよー」とおねえさん。
そりゃそうだろな。

ふしぎ鍋敷きについて聞いてみると、
見るからに和風なこの棒たちは、
実は外国の雑貨で、
棒を並べる幅によって
小さなミルクパンから大きなフライパンまで乗せられるという、
とても便利なお品。

おねえさんの話によると、
「芸能人や、よく海外にいく職業のひとたちの間で
ひそかに流行っていて、
海外に行くとお土産としてまとめ買いする」らしいです。
ほんとかよ〜。

現金な話だけれど、そう言われてみるとなんだか
オシャレにも見えてくるなあ。

で、この鍋敷き、
なんと472円。
なんなの、そのさっぱりした値段は。
なんてオシャレじゃないお値段。
買い買い買い買い買います!!

ああ、楽しかった。

若干スキップ気味で帰宅し、
ニカニカ笑いながら戦利品をナデナデ、
ふと、

「つーか最近、鍋使う料理してねえな」

と気づくのでした。






↓ふしぎ鍋敷き、知ってたひとも知らなかったひともクリーック!





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